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外へ出たエルリアは、足にロケットブースターが付いてるかの様な速さで走って行き、木山は追い付くので精一杯だった。
「どこ……行くんだ?」
「姉さんの居る所」
息を切らしながら問い掛けてくる木山にたいしてエルリアは即答した。
そして歩を緩めて歩いて行くと、それなりに立派
な一戸建ての前に着いた。
「ここが姉さんの住んでる家」
呼び鈴を鳴らそうとすると突然家の扉が開き、
中から一人の女性が出てきた。
「あら、エルリアお久しぶり。…後ろの子はお友達かな?」
女性は木山に気付き、
微笑むと木山は軽く一礼した。
「ここで立ち話もなんだから上がって」
女性は二人を居間に通すと、紅茶を取りに席を
外した。
「なぁ、あの人は誰なんだ?」
「姉さんだよ」
木山が小声で訪ねると、エルリアはえへんと胸を反らしながら答えた。
「あら、そんな言い方しても何も出ないよ?」
トレイに三人分の紅茶と茶菓子を持って戻って来た。
「あ、ありがとうございます」
自分の分が置かれると木山は礼を言った。
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