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侑子(エルリア)は、真ん中辺りの列の後ろの席に案内されたところで、
授業準備の時間になった
転校生の最初にありがちな質問攻めは、何か近寄り難い雰囲気があるのか、始まらなかった。
「ふぅ………」
侑子は授業の授業を終えて何もする事がなくポツンと座っていた。
周りの生徒は友人と話をしているか、遠巻きにチラチラと見ていた。
「はーい、席に着け」
一時間目の教科担任が入って来て授業が始まった。
「ここの数式は……」
板書した数式を生徒に解かせる為、教室内を見渡し、一人だけかなり真面目に授業を受けている
侑子を指名した。
「では右代宮、早速解いてみてくれ」
しかしこの数学教師は、意地が悪い事で有名で
教師でも解けない様な問題を生徒に出し、解けなければ罵っていた。
侑子の学力は未知数だが解けないであろうと踏んだ問題を出していたが、
「先生、これでいいでしょうか?」
しかし侑子はあっさり解いてしまい、教師の方を一瞬振り向きこれまた一瞬威嚇して席に戻った。
「よ、よく出来た」
尻込みする教師を背に、席に戻る途中、クラスの皆から拍手をされて若干照れながら席に着いた。
「きょ、今日はこれで授業を終わる」
授業終了のチャイムと共に教師は出ていき、
その後、侑子の周りに人だかりが出来た。
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