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時は春、とある県立の高校は新入生を迎えて新たなスタートをきっていた。
入学式を終えて各教室でホームルームが行われていた。
「あ~、では一人ずつ自己紹介をしてもらおう」
担任の一言で生徒は自己紹介することとなった。
「木山春木(キヤマ ハルキ)です、よろしくお願いします。」
木山と名乗った少年は、男子では珍しく、か行で出席番号が一番である。
恙無く自己紹介が終わり下校の時間となった。
「木山~、一緒に帰ろうぜ。」
少々間の抜けた声で木山を呼んだのは彼の中学時代からの友人、黒谷(クロヤ)である。彼は周りからはよく、くろやんの愛称で呼ばれており、木山とは色んなところでウマが合う。
「いいぜ。そうだくろやん、駅前に新しく出来た本屋に行こうぜ。」
こうして二人は学校を出て、駅前に新しく出来たCDショップへと向かって行った。
「………ん?」
店の前に来た二人は、店の大きさに痛感していると木山は何かの視線を、感じて辺りを見回した。
しかしその視線は直ぐになくなった。
「どうかしたか?」
心配した黒谷は問い掛けて、木山は直ぐに返事をした。
「いや、何でもない」
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