act.1 始まり

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死を覚悟し、目を瞑ったが棍棒が降り下ろされる気配は一向になく、 目を開けると、一人の少女が自分の身長の数倍はあるであろう棍棒を、 それから見れば小枝に見える刀で受けていた。 「はぁ…、でかいだけじゃ何にもならないわ」 少女はため息をついた後にそう呟き、刀で棍棒を弾き飛ばした。 「破ァ!!」 本当に何かを破壊しそうな掛け声を出した後、 オークを居合い斬りで切り捨てるとオークは霧になって消滅した。 「これで一つ片付いた。後は……」 少女は木山の方を見ていた。 「怪我は無い?」 そう問い掛けられ、先程と全く違う雰囲気にしどろもどろしながら返事をした。 「あ、うん」 それを聞き「そ」と、一言いい、去ろうとしたところを木山は引き留めた。 「まだ何か用?」 「あ、あのさ、助けてくれたお礼をしたいんだけどさ」 それを聞いた少女は若干面倒くさそうな顔をしていた。 「別に助けた訳じゃない。アレが現れたから倒しただけ。貴方はついで」
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