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死を覚悟し、目を瞑ったが棍棒が降り下ろされる気配は一向になく、
目を開けると、一人の少女が自分の身長の数倍はあるであろう棍棒を、
それから見れば小枝に見える刀で受けていた。
「はぁ…、でかいだけじゃ何にもならないわ」
少女はため息をついた後にそう呟き、刀で棍棒を弾き飛ばした。
「破ァ!!」
本当に何かを破壊しそうな掛け声を出した後、
オークを居合い斬りで切り捨てるとオークは霧になって消滅した。
「これで一つ片付いた。後は……」
少女は木山の方を見ていた。
「怪我は無い?」
そう問い掛けられ、先程と全く違う雰囲気にしどろもどろしながら返事をした。
「あ、うん」
それを聞き「そ」と、一言いい、去ろうとしたところを木山は引き留めた。
「まだ何か用?」
「あ、あのさ、助けてくれたお礼をしたいんだけどさ」
それを聞いた少女は若干面倒くさそうな顔をしていた。
「別に助けた訳じゃない。アレが現れたから倒しただけ。貴方はついで」
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