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次の日の朝、木山は早く起きて、朝食を作っていた。
「エルリアおはよう」
可愛らしいパジャマを着て目を擦りながら起きてきた少女にそう言った。
「お早う。……お前、学校は行かないのか?」
完全に目が覚めたらしいエルリアは木山に疑問をぶつけた。
「今日は休みなんだ」
そう聞いたが、エルリアはさして興味も無さそうにして、
昨日睡眠を摂った部屋へ行き、昨日の黒装束を着て戻って来た。
「何処かに出かけるのかい?」
いつになく真剣な表情のエルリアは頷いた後に、
口を開いた。
「貴方もついて来て」
そう言い、強引に木山の手を引いてアパートを出て、同じアパートのある部屋の前へ向かった。
「……?ここって大家さんの部屋だよ」
なんだと言う様な顔をしている木山を先頭に立たせた。
「いいから呼び鈴鳴らして」
怒った様な口調で言われてた木山は呼び鈴をならすと管理人らしき二十代の男が出てきた。
「おや、木山君じゃないか。……そして後ろにいるのは」
背が高めの男からは木山に隠れたエルリアは見えないはずだが男は気配で感じとっていた。
「………どうも」
エルリアは若干引きぎみに男の前に立った。
「やっぱりエルリアちゃんじゃないか。お兄さんは心配したんだぞ」
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