プロローグ

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トントンとまな板の響きと、味噌汁の匂いがキッチンから漂ってくる。 暑い夏の朝、寝不足の目を擦りながら夢が布団から出て新聞を取りに行く。 何処にでもある日常の光景。 「舞、おはよう。今日も暑いね」 「ダーリン、おはよう。ご飯出来たわ」 「顔を洗ってすぐ食べる。ありがとう」 夢は、舞の頬にキスをしてバスルームに向かった。 顔を洗ってすぐキッチンに戻り、舞の作った朝ごはんを食べる。 舞は、にこりと微笑みながら洗濯機を回す為にバスルームに行く。 贅沢でない朝ごはんに幸せを感じながら、新聞を読みながら箸を進める。 洗濯機を回すと、舞は夢の隣にちょこんと座った。 無言で見つめる舞に、 「顔に何かついてる?」 「いいえ」 「イケメンのダーリンに見とれてるんだ?」 「そうかな?何でもないことが、幸せに思える。そんな気がしない?」 「うん、そうかもね」 「舞は、世界で一番大切だから」 「私も」 「会社に行かなくちゃ。」 「もう、こんな時間ね、いってらっしゃい」 舞に見送られ、夢は会社に向かった。
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