アンコール③

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「私は結婚2年目だから‥ KIYOと初めて出逢ったのが‥ 私が22歳。 KIYOは‥17歳。」 17歳のKIYO‥ 一般的には‥ 高校生。 学生服だ‥ 想像出来ない‥ 「勿論‥17歳とは 思ってなかったわ‥(笑) 確か‥20歳って 言ってたと思う。 それでも疑う余地は 無かったわ‥ 17と言われれば そう見えたし‥ 25と言われれば そう信じたと思う。 ホント‥不思議な子だった。」 和美ちゃんは 遠い目をして‥ 記憶を辿りながら 話してくれた。 和美ちゃんは 清春の父親を忘れる為‥ 結婚を反対された彼の両親を 見返す為に結婚して‥ 社長夫人だった。 夫婦仲は悪く‥ 和美ちゃんは日毎 遊び歩いていた時期‥ よく通っていた ホストクラブにも そろそろ飽きてきて‥ その時‥ 高級ホストクラブの話を聞く。 イチゲンさんお断り。 一定収入‥地位‥財産‥ がないと入店出来ない‥ いわゆる店が客を選ぶ様な店。 和美ちゃんは 同じく遊び仲間の社長夫人と そのクラブへの入店資格を 手に入れた。 「高級ホストクラブって 聞いてたでしょ? 私はテッキリ お城みたいな所を 想像してたの‥」 「違うの‥?」 私も同じ様な想像をしていた。真っ赤な毛足の長い絨毯‥ 白くて座り心地のいいソファ‥宮殿の様な内装‥ 「違う!違う! 一昔前の喫茶店よっ!! テーブルがゲーム台みたいな?も~ビックリよっ!!」 そりゃビックリだな‥ 一昔前どころか‥ 大昔だな‥ 「店には勿論看板も灯りも ないし‥地下なんだけど 完全に倉庫よ‥ 誰も店だとは思わない。 でも‥中に一歩入ると‥ 別世界。 完全に現実と 切り離されたみたいな‥ そこだけ‥ 時間が止まってる様な‥ 不思議な所だった‥」 現実と切り離された 別世界‥ KIYOにピッタリの居場所だと 思った‥
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