春です。

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「この度は‥ 本当に申し訳 ありませんでしたっ‥!!」 和美さんは来て早々 頭を下げた‥ KIYOを誘惑した継母に似てると言うので‥ 派手な人を想像してたけど‥ 全然違った。 華奢で‥ ナチュラルメイクで‥ 髪の毛を一つに束ね 黒いパンツスーツに 白いシャツ‥ 顔立ちは確かに派手かも 知れないが ナチュラルメイクでも 綺麗な人だった‥ どことなく‥ 清春に似ている気がした‥ 和美さんは終始 KIYOと私に 頭を下げっぱなしで‥ 謝罪の言葉を連発した‥ 私の事は 社長から聞いている様だ‥ 社長秘書で‥ KIYOの家に住み込み 清春の面倒を見ている。と‥ KIYOと私の関係までは‥ 多分‥社長も言ってない様な 気がする‥ 「和美さん。今日は‥ 真理ちゃんから 話があるんだ。 頭を上げなさい。」 いつまで経っても きりが無い謝罪に 社長が話しを進めた。 和美さんは 申し訳無さそうに 頭を上げた。 すでに顔は涙で濡れていた‥ 「実は‥今週‥ 清春の授業参観があるんです 和美さん。 来て頂けませんか‥?」 私は単刀直入に言った‥ 「‥‥‥‥。」 和美さんは放心状態で 私を見つめ‥社長を見つめ‥ KIYOを見つめた‥ 「私には‥そんな‥」 和美さんは俯いて 蚊の鳴く様な声で言った‥ 「そんな資格が無いとか‥ 言うつもりですか‥?」 「‥はぃ。私はあの子に‥ 酷い事を言いました。 取り返しのつかない事‥ 私は‥あの子に‥ 合わせる顔がありません。」 「そうですね‥あなたは‥ 自分の息子を突き放した。 中途半端な優しさだけ残して‥その中途半端な優しさでも‥ 清春にとっては‥ 希望なんですっ! それでも‥まだ‥ 清春に中途半端な優しさに すがれって言うんですかっ!」 私は蝉の鳴く様な 大きな声を出してしまった‥ 「私は‥あなたを責めるつもりは無いんです‥。 私だって‥ 清春と離れるのは‥ ツラいんです‥ ただ‥清春は‥ アナタを求めています。 アナタがど~思ってても‥ 清春にとって‥ アナタが世界で一人の母ちゃんなんです‥ また‥息子を 突き放すつもりですか‥?」 私は‥清春の描いた クシャクシャの母ちゃんの絵をテーブルに置いた‥ 和美さんは‥ 震える手で‥ クシャクシャの絵を手に取り 号泣してしまった‥ 私も‥ 涙が止まらなかった‥ KIYOは‥ 私の肩を抱き 良くやった‥と言う様に 私を胸の中へ入れた‥ 私は超吸収KIYOタオルに 顔をうずめ泣いた‥
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