春です。

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「その絵が‥ 何でクシャクシャなのか‥ お前わかるか‥?」 KIYOが私を抱いたまま 静かに言った‥ 和美さんは泣きながら KIYOをジッと見つめた‥ 「あいつはバカだから‥ 俺と真理が参観日に行くとは 思って無かった。 俺と真理にこれを見られたら ヤバいと思ったんだよ‥ 俺に‥“もう大丈夫”って‥ 言っちまったから‥ お前の絵だけは‥ 見られたくなかった‥」 KIYOは‥やっぱり全て お見通しだった‥ クシャクシャの意味も‥ 「あいつは‥今‥ 自分からお前に会いたいって 言えねーんだよ‥ でも‥心ん中では‥ すげー強く思ってる。 お前の背中に‥ 翼が生えてるのがその証拠だ 心ん中で‥強く思えば 魂に翼が生えて届くと‥ 信じてる。」 和美さんの背中に翼が生えてる意味も‥ KIYOには全てお見通し‥ 「私‥本当に‥いいのかな‥ 清春に‥何て‥言えば‥」 和美さんは 声を詰まらせながら言った‥ 「ァア~っ!!?お前っ‥ 真理の話し聞いてたっ!!? 何て言えば‥って‥ 言葉なんて知るかっ!! ギューーーっとすりゃ いいだろっ!!? 差し出された手ぇ掴んでやりゃいいだろっ!! つーか‥ガキのいない俺に んな事聞くなっ!!アホっ!!」 と‥言いながら‥ KIYOはお手本の様に 私をギューーーっとした‥ 確かに‥ 言葉なんて‥いらない。 ギューーーっとされるだけで いっぱい伝わるモノがある。 「清矢‥アリガトー‥」 清矢(セイヤ)??? 「セイヤ言うなっ!!アホっ!!」 「KIYOの源氏名ね‥♪ KIYOの“清”と “矢”みたいに尖ってたから‥今も尖ってるけどね‥♪」 キョトンとする私に 社長が親切に解説してくれた。 「いちいち説明すんなっ!! タコ助っ!!」 タコ助って‥ 社長はタコみたいに 口を尖らせた‥ 「セイ‥あっ‥キヨ‥ 何だっけ?」 「も~っ!!KIYOでいいわっ!」 「KIYO。真理さん。 本当に感謝してます。 私‥強くなりますから‥ 二度と清春を離しませんから」 和美さんは深く頭を下げた‥ 「そうして下さい。 今度離したら‥ 私が二度と離しませんから‥」 「だとさ‥。この人 根に持つタイプだから‥ 本当に離さねーから‥ 覚悟しろや。」 KIYOは私の鼻を ツンツンしながら言った‥ 私って‥ 根に持つタイプなんだ‥ 知らなかった‥
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