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けれど夜が明ける前に帰らなくちゃ。
あのひとの事、思い出す前に。
急いで夜の闇に溶けるようにベッドに沈みこみ目を瞑る。
そして時々は、朝陽を感じない場所で息を潜める。
白い壁に青く光るネオンライト。人目を阻むような狭い入口の趣味の悪い造花。
特有の、澱んだ空気。
さっきまで知らない誰かが眠っていたベッドを包む、白いピンとしたシーツ。
そんな事お構いなしにわたしは、煙草とお酒のにおいが染み付いた服のまま倒れこむ。
さっきから隣にいるこの男の子は、重低音の響く狭いお店で出会ったばかり。
ジンライムが好きみたい。
それしか知らない。
いくつだっけ?
名前、何だっけ?
。
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