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背中に回した片腕で易々と私を引き寄せ、ビックリしている間にスッ……と取り上げられたカップ。 テーブルにコトリと置かれるのを見届けると、カップを取り上げた方の腕も背中に回された。 スッポリと腕に囲われて、遠藤の胸に埋まってしまう。 ドキドキとか、トキメキとか、そんな感情は全く無くて、兎に角ビックリ。 「ちょっと遠藤っ」 「……お前、死にたいの?」 「そんな訳無いでしょ!? バカな事言ってないで放しなさいよ!」 あーもーびくともしないっ。 この腕邪ぁー魔ぁー!!! 「バカはお前。 こんなに小さくなっちまって。 お前……消えて無くなりそうじゃないか……」 え……。 ちょっと遠藤。 ヤダ、そんな声出さないでよ。
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