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キッと睨み付けた遠藤は、無表情で私を見詰めている。
腸が煮えくり返る思いでテーブルの上の食べ物に忙しなく目を走らせる。
けど、どれだけ見回しても選べない。
この中には、私の許せるモノが無くて。
「終了ー……」
「ちょっと待ってよ今選んでるんだからっ」
「無駄だよ。
30分眺めて選べないんだから。
ダイエットしてるだけの奴なら、一口なんて余裕なんだけどな。
お前はどうだ?
怖くて食えないだろう」
「……」
食べ物を袋に仕舞い始めた遠藤。
もの凄く、ホッとした。
良かった……食べずに済んで。
安心してブラックのコーヒーを飲み込む。
私をチラリと見た遠藤の瞳は、哀しみに溢れていた。
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