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普段は礼儀正しいけど、食べ物の前では少々人格が変わる私。 棚に鼻を寄せて匂いを吸い込みながら、鷹の目で獲物を狙う。 ハンター……。 今の私はまさにハンター。 取り溢しの無い様、慎重に棚横を通過していく。 よし……パンは一通りキープした。 後はデザートだな。 またしてもレジでトレーを預かってもらい、向かった冷蔵庫。 目に止まったのは、ラスト1のお店特製<蕩ける杏仁豆腐>。 ニュッと伸ばした手が、横から伸びてきた手とぶつかった。 ライバル出現。 火が点くデブ魂。 その繊細な手を退けろ! これは ワ タ シ の ! キッと横を睨むとそこは胸元で。 顔はもっと上か。 目が肉で埋もれているせいか私の視線に気付かず、ライバルが口を開いた。
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