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カーンカーンカーン……
安全バーが下がっていく。
この踏切を渡って10分くらい歩けば、俺の家がある。
目の前に広がる夕焼けを見ながら、バーが上がるのを待った。
響き渡る踏切の音。
真っ赤な夕焼け。
赤蜻蛉が俺の周りを飛んでいく。
前より冷たくなった秋風が吹く。
びゅうっ
一瞬だけ強い風が吹いた。
春一番ならぬ秋一番だ、なんて考えていたら、子供の泣き声が聞こえた。
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