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声のした方を見ると、髪をポニーテールにした若い男が立っていた。
しかも、血塗れの。
片手には血がついた刀を持っている。
「お前は誰だ?」
いや、お前の方が誰だよ。と思ったが、そんな雰囲気ではない。
手の震えなどとうにおさまっていた。
「アンタこそ……つーかこの人殺したのアンタ?」
「…貴様に教えてやる必要は無さそうだ」
「は?」
男は刀についた血糊を払うと、此方に近づいてきた。
「貴様は此処で死ぬんだからな」
「…………なに…、っ?」
その言葉を理解する前に俺の意識は遠退いていった。
ザシュッという不快な音と生暖かい何かが体を伝っていくのを感じながら。
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