鮮紅の稲妻

2/12
42人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
「本日のニュースです。 昨夜、また空に赤い稲妻が発生しました。 皆様ご存知かと思いますが、 この稲妻は赤い稲光を始まりとして、局地的に雷が降り注ぐ謎の現象です。 詳細については政府が調査を行っておりますが、未だ原因は解明されておりません。 ここ数日至る所で発生しており、いつどこで落ちるのかまったく予測が出来ないとの事です。 前兆が現れた時は外出をしないよう徹底した注意が必要です。」 「それでは専門の方々にお話を[プチンッ!!] 「また稲妻か…」 ここはとある住宅の一室 ニュース番組を見ていた青年はテレビの電源を落としベッドから腰を上げ… 「散歩でもいくかな…」 ミュージックプレーヤーをカバンに入れ、上着を羽織り玄関へと向かった。 「今日の天気は曇りで所により雷…か、いつも通りだな。」 そう言うと青年はイヤホンを装着し、お気に入りの曲を流し、お気に入りの場所へ向かい歩き出した。 青年の名前は 真雪 鈴梨(まゆき りんり) 性別は男である 年齢は19で趣味は散歩 皆からは暇人と呼ばれている (本人は気付いていない) 容姿は中の上 成績は下の下 運動神経は ある事情から上の上 隠れてはいるが重度の厨二病である。 そんな彼にはその場所までの片道10キロは"軽い散歩"程度なのだ。勿論歩くので時間はかなり掛かるが、彼には時間など関係ないので気ままに歩くのである。 彼が歩いてから1時間と少し、彼は既に7割を歩ききっていた。 その場所に着いた彼はここからでなくては見れない街の全景を見下ろす。この場所は彼にとっては忘れられない大事な場所で、気が向けばしょっちゅう来て紅葉の木に寄りかかり街や雲を見て暇を潰していた。 「今日は雲の流れが変だな…、なんだ?」 ふと空を見れば所々で赤く光る線が見えている。 「あれが赤い雷の前兆か…、ん?」 彼は空の様子に気付くやいなや弾かれたように木から離れ、全力疾走を開始した。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!