鮮紅の稲妻

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「う…ぐ…落ちた…よな…?俺に…」 鈴梨が目を開けると鈴梨を中心にクレーターが出来ていた。 「何だったんだ?夢じゃねぇみたいだし…」 クレーターからでて辺りを見回せば、先程の惨状が残っていた。 「うっひゃー…どうしたもんかなこれ…ん?」 あまりの状況に考えていると、大勢の人の足音が聞こえてきた。 「げ…、もう野次馬が集まってきたのか…」 言い終わると同時に銃声のような音がして足元を何かが掠めた。 「なっ!?」 いきなりの事ににテンパっていると、瞬く間に特殊なサングラスをした軍隊のような人たちに囲まれた。後ろにはボールなどを防ぐ高いフェンス。 逃げ場はない。 「おとなしく投降しろ…、いまなら危害は加えない」 黒服達の中に独りだけ赤いラインの入った軍服を着た女性と思われる人物が一歩前へ出ながら鈴梨に話しかけた。 「えっ…俺何かしま[ガウン!!]うおぁ!?」 鈴梨の質問を無視し、左頬を銃弾が掠める。 「貴様の答えはYESかNOだ。」 リーダーらしき女は高圧的な姿勢で鈴梨に接する。 「イラッときた…答えはNOだ!!その態度じゃ人は素直にならねぇぜ?」 鈴梨は姿勢を低くする。 「そうか…なら消すまでだ!!」 女は言うやいなや撃った。 「その動きは想定内だ!!」 鈴梨は素早く脚を振り、飛ばした靴で銃弾を防いだ。 「ほぅ、全員戦闘開始!!」 女は品定めでもしているような視線を鈴梨へむけ即座に命令を放つ。兵士たちはそれに答え二つに別れて鈴梨へと押し寄せた。 「ちっ!!"グングニル"!!」 鈴梨がとっさに右腕を横に振ると十本の蒼白の短剣が半円を描き現れた。 (ッ!?何故知りもしない言葉を!?) 鈴梨は軽いパニックに陥っているが、兵士たちも混乱していた。 「"行け"!!」 鈴梨は頭に浮かんだ単語をとっさに叫ぶ。短剣は声に反応し、目にも留まらぬ速度で進行方向の敵を軒並み貫く。 「なんだよ…これ…」 呆然とする鈴梨。 「もう能力を発動できるのか…銃器部隊!!」 女の指示により我に返った兵士たちは、傷付いた仲間を後ろへ下げ、鈴梨に向かって撃った。 (今はこの衝動に任せるしかねぇか…!!) 「"グングニル"!!」 鈴梨は先程の短剣とは違う大きな刃を出し走り出した。 「あぁぁぁぁああ!!」 弾の嵐を刃で受けながらも、先ほどの短剣を使い、距離を詰める鈴梨に、兵士たちも気圧され後退して行く。 「やるじゃない…下がれ!!近接部隊!!」 銃器部隊が下がると、武器を持った兵士たちが鈴梨へ殺到する。
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