鮮紅の稲妻

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「うぉッ!!」 ロープの先端から何発もの光線が鈴梨に降り注いだ。 「ぐうぅ!!しゃらくせぇ!!」 鈴梨は拳に展開された槍を大きくし高速で回転させ盾にする。 「そんな苦し紛れでこれはかわせるかなぁ?♪すたーまいん♪」 声が聞こえた直後鈴梨は空を見据え考察し 「神槍!!グングニル!!」 閃光を乱射する。がしかし、勢いを殺すどころか、殆ど削れない隕石を見て、空からくる物の大きさに絶望した。 そして眼前に迫る隕石に覚悟を決め目を閉じる鈴梨。 (まだ色々やれそうだったんだけどなぁ…これで終わりか…ちきしょう…) 「あ?」 いつまでたっても来ない衝撃に目を開けると… 「そんな簡単に諦めるな…」 真っ白な氷に包まれた隕石と、黒髪の男が立っていた。 「間に合ってよかったねぇ☆」 横から走ってくる少女。 「発現したばかりにしてはかなり強い子だねぇ☆」 「あぁ…予言通りだ」 「なら☆なんとかなりそうだね☆」 「ここまではな…」 鈴梨の目の前で繰り広げられる会話に。鈴梨の頭は混乱の極みにいる。 「立て新人…俺は神楽 京一だ」 「僕はポルメリオ☆ぽるってよんでね☆」 「お…俺は真雪鈴梨…です」 回らない頭で、なんとか自分の名前を絞り出す。 「うし、自己紹介も終わった所で、行くぞ」 「アイアイサー☆」 鈴梨の前に二人が並び 「アイスアーティスト」 男が氷に触れた瞬間、目の前の氷が崩れ、無数の氷の刃になり敵へ飛んでいく。 「ライジングボイス☆ ガアァァァァァァ!!」 少女の口からは電流のレーザーが放出された。 「す…すげ…」 開いた口が塞がらない鈴梨。 「おら、ぼさっとしてねぇで何かやれ」 俺に言われ我に返った鈴梨は 「神槍!!」 やけくそで乱射した。 「凄いね☆君の能力☆」 少女は心底嬉しそうな笑顔を向ける。 「おい新人」 「はい!?」 突然の呼びかけにテンパる鈴梨。 「左手が赤く光っているがそれは意味があるのか?」 「へ?」 そう言われ、左手を見ると、確かに光っている。 「や…やってみます!!」 そう言って鈴梨は全ての力を左手に込める。 「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」 光は手から腕に広がっていく。 「ちょ…ちょっとヤバい量だよ!?☆」 「チィッ!!氷壁絶破!!」 ポルメリオと京一が思い思いの反応をすると同時に、鈴梨は頭に浮かんだ発動詩を叫ぶ 「"灰にしろ"!!"紅龍"!!」 [ゴアアアアアアアアアア!!!!] 一匹の巨大な龍が敵めがけて飛んでいった。
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