*彼が私を借りた理由*

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「うーん...」 とりあえず3冊借りよう。 幸せの本読みたかったのに残念だな…。 カウンターに持っていき貸し出しカードを書く。 「佐倉苺湖…っと」 借りる冊数が多いとそれだけ書く量も増える。 佐倉苺湖… 佐倉… ────あれ? 最初に書いたカードにも同じ人の名前を見た気が… 掛飛颯太 佐倉苺湖 「か…かけひ?そうた」 借りた本が3冊とも同じなんて何だか運命みたい 多分、本が好きなんだなぁー…。 不思議とその人にあってみたくなった。 でもこの図書館、別に目立った場所にあるわけじゃないのに利用者数は意外に多いからなぁー まぁ、会えないか。 全ての本のカードを書き終えると私は窓側の左から4番目に座る あの男の子の隣の隣。 そこは私の特等席… 彼を近くに感じられる気がした。 黒い髪に長いまつ毛、指が長くて綺麗な人。 名前も知らない彼は何の本を読んでいるんだろう… そして私は本を読み始めた。
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