*彼が私を借りた理由*

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掛飛颯太の手が私の首、そして髪にのびる トクン....トクン.... 「俺が帰らなかったのは…」 トクン....トクン.... 鼓動が速くなる。 心臓が落ち着かない。 「帰らなかったのは?」 聞きたい。 どうして? すると掛飛颯太の手が私の髪からスルッと離れた。 「残念。また今度ね」 その瞬間に入り口に誰かが走ってきた。 ガチャンっ!! 「君たち!大丈夫か!?閉じ込めて悪かったな!」 警備員の男の人が入ってきて私達は無事に外にでることができた。 「掛飛…颯太。」 不思議な人だったなー。 貸し出しカードの名前に、幸せの本の5巻の謎に、私と一緒にいた理由。 なぜだか胸が熱くなる。 幸せの本の主人公もこんな気分だったのかな? 私は自然と幸せの本と自分を重ね合わせた。
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