初めてのバー

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方向音痴な私は、道に迷いながらもなんとかドールにたどり着いた。 地下へ降りる階段は予想以上に暗く、緊張で一瞬足がすくむ。 ここでやりたいことしたらもう思い残すことはないんだ! そう言い聞かせて一歩ずつ階段を下りた。 ドアを開けると、 「カランカラン。」 とベルの音がした。 「いらっしゃいませ。」 若そうなのに落ち着いた印象のマスターが迎えてくれる。 「こちらへどうぞ。」 マスターはにこっと笑ってカウンターの席に私を促した。 まだ時間が早いせいなのか、店内は私ともう一人だけだった。
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