一章

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昔むかし、長州にはとても美しい姫がいた。姫は全ての人を、全てのものを、生きとし生けるものを愛した。 だが、彼女にだって嫌いなものがあった。…憎しみ、争い、殺し合い… もしかしたら、そんな彼女にこそ、心の中に憎しみや闇があるのかもしれないけどね…。 -桜野城- 「母上、桜が咲いていますよ」 「きれいねぇ…」 「…そんな悲しい顔をしないでください…。あれは母上の花なのですから」 「私の花…?」 「はい。とてもきれいで可愛らしく、何より名が同じです」 「ありがとう…。でわ華鵺も美しく、凛々しく、強くなりなさい」
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