一章

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私の目には、浅葱色の隊服を着た男の人が映った。その人は庇ってくれているかのように、自分の後ろに私を隠した。 「し、新撰組か!?」 「(この人達が…新撰組…)」 「斬られたくなければ、去れ…」 悔しげな表情を浮かべ、男達はその場から一目散に逃げていってしまった。 「あーぁ、一くん。これじゃあ、僕の出番がないじゃん」 「隊務とは素早くこなすものだ」 「ま、いいけどさ」 「あの…助けていただいて、ありがとうございました」 「お礼なんて別にいいけどさ、君何で追われてたの?」 「…実は」
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