一章

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「待って。…ゆっくり話を聞きたいから、屯所まで来てくれる?」 「わかりました」 「それじゃあ、手かして」 「手…ですか?」 疑問を抱きながらも手を出すと、彼はその手を掴みいきなり走り出した。 何も聞かされず、止まることも許されず、道とは言えないような道を幾度と通り、やっとの思いで屯所についた。 「はぁはぁ…」 「休んでないで、こっちこっち」 休む時間もないままどこかの部屋におしこまれ、彼はどこかへと行ってしまった。 「なんだったの…?」
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