李に焦がれる

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「はぁ…」 ヒラヒラと桜が舞う外を眺めながら、女は一つため息を漏らす。 脳裏には颯爽と歩いては、時々、目に留まる李木を見つめる彼の姿。 女はまた溜息を洩らし、青々とした昊を見上げた。 「今日はいらっしゃらないのかな…。」 (どうか、明日は…来て下さいますように。) 後宮に実った恋心は、 甘くて酸っぱい李の様。 01.焦がれる よく後宮に迷い込む絳攸をひっそりと待ち望む女官の恋物語。
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