彼女妖艶也

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足裏から水滴達の悲鳴。 夜のプール。 人影は2つ、僕、そして彼女。 泳げない僕はプールサイド、優雅に泳ぐ君を見ている。 白い肢体を、濡らす水。 小さなオレンジ色の灯り。 照らし出された腿。 触れたい。 彼女が近づいてきた。 泳がないのかと僕に問う。 景色が暗くなったのは、彼女が僕を水中へ引きずり込んだから。 もがく僕は、彼女に触れる口実を得た。 彼女は時折おかしくなって、君が君でないかのように、僕を内側からバラバラにしていく。
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