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水上都市
その場所は陸路が海面の上昇で徐々に無くなっていき現在では町を小船で移動していくという、不思議な場所だ。
このカトレアに着くまで大分と時間がかかったが最重要任務だと言われれば仕方が無い。
俺がこのカトレアについたのは昨日の午後9時、そして現在は午前9時45分前…………………………………………………………今俺は先方が言ってきたこの高級ホテル《marrige》のロビーにいるわけだが、呼び出された待ち合わせ時間10時には充分間に合っている。
昨日はこのカトレアについてから何もしていない、ただビジネスホテルに泊まり今日の待ち合わせ時間に遅刻しないよう睡眠をとっただけだ。
酒さえ飲んでいない。
明日任務があるからと言う意識はあったが最大の理由はここの酒が俺には合わないということだった。
しかし、ロビーではまだ10時だと言うのに今日の夜はどこで飲もうか、なんていう声が聞こえてくる、そのせいでせっかくのシャンデリアの光も霞んで見えた。
そんな声にいらいらしているとロビーにいたホテルの青年が『お待ちしておりました。こちらへどうぞ。』といった。
青年はロビーからエレベータのほうへと足を運びエレベータのスイッチを押してドアを開けた。
俺はその青年についていきエレベータに乗り込んだ、エレベーターの中はとても広い、家のリビングくらいはありそうなほどだ。
すると声をかけてきた青年は当たり前のように地下二階のボタンを押すのが見えたが、俺は地下というものが好きじゃない、太陽の光がさえぎられているのにもかかわらずいやに明るいところが人が作り上げた空間なんだと思うとどうしても好きになれなかった。
だが勿論エレベータはそんな俺の気持ちには気付かず確実に地下へ降りていく。
エレベーターのドアが開くと小さな2メートル四方の空間がありエレベータと向かい合う形でドアが取り付けられていた。
その奇妙な空間に戸惑っていると
『あなたが目指している場所はその部屋で間違いありません。確かに普通に考えるとおかしな空間です・・・がそれを説明する時間はありません。そして現実にこのような部屋が存在しているのです。このエレベーターを降りてあの部屋のドアをあけるだけ、今あなたが出来ることはそれだけです。』
とホテルの青年は俺を落ち着かせるように言った。
『わかりました。ありがとう。』と俺は言った。
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