娘が求めるは

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「あいつ、全部の頭であたしを睨んで来たんだ!」  なんてことでしょう! 彼の者と供に生きると誓ったあたしでさえ、まだ目を合わせた事がないというのに! とんだあばずれです。  途端に彼女が憎くなりました。  あたしは、遊郭から逃げて来た時からずっと懐にしまっているものがあります。 それは客から奪い取った短刀です。 いつか必ず役に立つ日が来るだろうと思い忍ばせておいたものです。  きっと今こそ、使う時だろうと悟りました。  生娘の生き胆は不老長寿の妙薬だと聞きます。 彼女のような不細工でも、効果は薄そうだけれども、一年は永らえさせてくれるはずです。 次の日、あたしは彼女を殺し、心の臓を喰らいました。 生臭くてたべられるものではありませんでしたが、彼の者の為と思い、嘔吐も我慢して喰いきりました。
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