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数ヵ月後、今度は長女が彼の者に会ったと言いました。
その晩、長女を殺して心の臓を喰らいました。
よく考えれば、もしかすると彼の者があたし以外の娘を気に入るかもしれないので(皆あたしより不細工だったけれど、彼の者は人ではないので人の道理は通じないでしょう)、少しずつ、みんな殺して心の臓を喰らいました。
老夫婦は最後まで、彼の者が喰ったと信じていたのだから、相当なまぬけだと思います。
自分の娘が死ぬたびに食卓に並ぶ肉が、山で獲れた動物にしては臭すぎると気付かなかったのですから。
本当に、まぬけです。
七人の生き胆を食べたとして、寿命が延びてもたった七年です。
彼の者と供に居るには全然足りません。
そして現れたのが、自らを神だと名乗る男でした。
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