そして

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嫌な音がする。 人間から聞こえてはいけない音だ。 小娘が何をしているのかが分からない。 私は、呆然とその行動を見守っている。  ふと、小娘がこちらを向いた。 顔いっぱいに血を垂らしながら。 自分の瞳孔がぎゅっと細まったのが分かる。 動けない。 蛇に睨まれた蛙のように。  小娘の目が細められた。 少しだけ、歯を見せて笑った。  それは全てが血に染まっていて。 end...
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