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「馬鹿蜜」
「…………ごめっ…」
強くなく、弱くなく。
きゅ、と先端に噛み付いた哲は、最近、口数が増えた気がする。
黙ってそっぽを向かなくなった。
私はそれが嬉しくて。
言わなくても良いことを言っては、叱られる。
今回も。
見てみて!
可愛いの貰った!
誰に?
と冷ややかに眉を寄せた哲に、あれ?、と思いつつも。
まだタグのついたままのそれを、差し出して。
真ちゃん、と。
答えたんだ。
だってだってだって。
いつもの真ちゃんの、下世話な冗談でしょう?
この前なんか、乳首用のピアスくれたじゃん?
穴開いてないのに。
「馬鹿蜜」
「…な、んで二回も言う…っ」
こんなの…貰って黙ってるほうがよっぽど問題あるじゃないか!
なんで報告して、縛られなきゃならないのっ!
定期演奏会、明日なんだから…っ!
ほんと……あんまり……しないでぇぇ!!!
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