1P-朝、思春期の男の子の布団の下にはバベルの塔が建っている

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「何言ってんのさ兄さん!カナはその兄さんの枕元の小さな冷蔵庫に入ってる、スティックアイスのことを言ったんだよ…」 「っな!!!」 カナはそう言いながらニヤリと頬を赤らめて笑うと、部屋から出ていった。 妹にからかわれる兄っているのか!? はい、います。それはきっと僕のことですね。 「お前もそう思うだろ、なぁ相棒。」 僕は布団をめくり、自分の腰付近にそびえ立つ塔に向かって話かけた。 心なしか塔が 『ありがとう。』 …と呟やいた様に感じた。 っと!こんなしんみりしてる場合ではない!! 今日は入学式なんだ!! しかも、さっきはカナのせいで説明できなかったが。何を隠そう僕は今日から高校生活&一人暮らしがスタートするんだ!! ひゃっほーい!さっきまで気まずかったが、そう考えるとなんだか気分が最高だ! ビバ!一人暮らし!ビバ!やりたい放題!ビバ!ヤりたい放題!(一人で) 僕は急いでパジャマを脱ぎ捨て、そびえ立つ息子に『おはよう』と言い落ち着くのを待って下に向かった。
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