ふたりの太郎

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◆◇◆◇◆◇ その⑪ 桃太郎は、トメ吉とシズエを島によんだ。 もう、本当の両親のことは知らなくてもいい、 とサル吉にはっきり告げた。 サル吉の胸に熱いものが込み上げてくる。 (ありがとう…桃社長…) ◆◇◆◇◆◇ ひとりの浮浪者が、足を引きずりながら、山を登っている。 数年前、老夫婦が出て行ったきり、この山にはもう誰も住んでいない。 その老夫婦が住んでいた小屋の前で、浮浪者は立ち止まった。
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