狂乱の宴。

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  †   何処か、おかしい……。   『血まみれの天使』の部隊長は、直感していた。   「……」   視線をグラオーグに向けても、何の反応もない。   「……グラオーグ総指揮官、何かおかしいです。速やかに……」   「まぁ待ちたまえ」   小さな無線に向かい、小声で部隊長はグラオーグに警告したが、あっさり流される。   「心配はいらない。それより、君は外へ出て、君の部隊に連絡してくれ。私が合図をしたら踏み込めるように、ね」   グラオーグも、小声で部隊長の無線に答える。   「……外へ出ずとも連絡は……」   普通、建物内でも連絡が出来るようになっている。 出来ない事が珍しいくらいだ。 ただし、何らかの妨害があれば別だ。 部隊長は、ハッとして顔を上げたが、慌てる事はない。   「私はここを離れる訳にはいきません。私には貴方様を護ると云う…」   「…ならば、命令だ。私なら、心配いらん。君も知っているだろう?」   部隊長はきっぱりと言ったが、グラオーグはそれをやんわりと流した。   グラオーグは政治家だが、驚く程武闘に長けている。 並の戦闘部隊の隊員では太刀打ち出来ない程に、強い。 この事実を知っているのは、『血まみれの天使』の部隊長とごく一部の者、それ以外は、かなりの情報通だろう。
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