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「神は罪人を赦さないのか?」
篭った、弾けるような音が、一つ。
「全てを愛しますが、きっと罪は赦されないでしょう」
二つ目。
反動が、俺の腕を伝わる。
神父が、音に気付いたのか、声に不思議がる気配が含まれた。
「そうか」
左手に握ったそれを腰に戻し、俺は静かに、
告げた。
「死神が迎えに来たぜ?」
刹那、俺は神父と俺を隔てる格子を蹴り砕いた。
「……?!!」
俺の言葉に反応したのはいいが、俺の方が速かったのか、神父は不様に椅子から落ちていた。
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