舞台は。

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広大な面積と人民の数を誇る国、サイ。世界でも一、ニを争う経済国だ。 そんな国、サイに俺は籍を置いている。 サイはつい20年前まで荒廃仕切っていた国だった。 国の成り立ちは三権分立制度に似ている。違うのは立法、司法、行政がある他、それをまとめる者が居ると云う事だ。 その座は「総指揮官」と呼ばれ、三権の監視及び国の政治を行っている。 文字通り、国のトップであり、指揮する者だ。 その者により、国は栄えもし荒廃もする。 その総指揮官は選挙制度で決められる。一応総指揮官が任命するが、国民はほとんどNOと言う。 しかし政界に適任者と思われる者は少なく、国民は立候補者の中から渋々決める、と云う感じだった。 そんな政界に突如、彗星の如く現れたのが現在も総指揮官を務める、グラオーグ・ツインアークその人だ。   グラオーグの政治は斬新だった。 これまで年功序列の風潮があった政界を、功績順とし、能力がある者をしかるべき任に、しかるべき地位に就けた。   斬新且つ、徹底した改革だったが、残した政治の中で民衆もそれを希望したのがあった。 それは『賞金首制度』である。 犯罪者が跋扈する昨今。 警察の手では抑え切れない程の犯罪。 そこで打ち出された対策だった。 犯罪者の首に賞金を賭け、それを狩るのだ。 ただし、狩る者は政府からの許可が必要である。 犯罪者にはランク付けがされており、狩る者は自分の力量に見合った犯罪者を狩るのだ。 狩る者の中で名を馳せている者は多いが、一般人も含め、誰しもが知っている狩る者は、5本の指で足りるか足りないかのどちらかだ。   俺は何でも請け負う仕事をしてるが、勿論狩る者の許可も持っている。
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