舞台は。

4/8
前へ
/39ページ
次へ
「そこで、諸君の力を見せて頂こう!」   突如、一つしかない扉が開きダークスーツが何人か入って来た。 手には武器であろうナイフや刀、そして銃。   「……」   なんの興味も湧かない。 ただの力試しだろう。 流石えり選り、慌てはしないが動揺はする。 間髪入れずに銃撃が開始され、仕方なく防御の為に武器を取る。   しかし、俺はしれっと隅に移動し、傍観に入った。 だって、怠いし。 流石に殺す気はないのか、狙うは関節や腱だ。   「……ふぅん…」   何人かが、関節を撃たれ倒れるが、銃を構え直す。 また、数人が腱を斬られ倒れ伏す。   「……」   俺はおもむろに、使い慣れた銃を天井に向けると、発砲した。   電灯の割れる音と共に降り注ぐ電灯の破片。 照明が落ちる。   これが俺の狙い。 姿勢を低くし、床を蹴る。 銃火器を持たない、立っている者に容赦なく足払いをかけ、体勢を崩す。 銃火器を持つ者には手刀を叩き込み、気絶させる。 ほんの少し、隙が出来ただけで、俺は自由に動ける。   「気は済んだかい?」   カチリと、力試しをすると言ったダークスーツの後頭部に銃口を突き付ける。   「……!」   時間にしてわずか数分。 決してダークスーツ達も素人ではない。それが、簡単に背後を取られてしまった。 その表情は背後からは判らないが、雰囲気で大体判る。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加