Full Moon Night

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「財前!」 俺の名前を呼んで何かが背中に猛アタック。 まぁ、何かなんて言わんでも、声で誰なんかすぐにわかるんやけど。 「…なんスか??」 「なんスか??って冷たいやん…愛しの彼が来てあげたっちゅーのに…」 ぅわぁ…自分で言うとる…めっちゃイタイ人やん… なんて思いながら冷めた視線を謙也さんに送るけど、気にしてない風に流された。 「なぁ財前、今日が何の日か知っとる??」 「今日??」 俺は脳みそをフルに回転させて考える。 記念日もちゃうし、謙也さんの誕生日もまだ先や…俺の誕生日も過ぎたし… 「…ユウジ先輩の誕生日…??」 でもユウジ先輩の誕生日は昨日やったはず… 「ちゃうわ!今日は十五夜や!!月でうさぎさんが餅搗きしとるんや☆」 なんて満面の笑顔で言われた。 「…それだけっスか??」 「それだけってなんやねん!!お月さんが綺麗に見えるし、おだんご食べれるし一石二鳥やん!!」 こないなことを真顔で言われて、なんちゅーかもう、アホすぎて言葉も出ぇへん。 さすが謙也さんや。謙也さんやからできるんや。謙也さんクオリティーや。 .
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