呪われた血筋

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実はな、木嶋家っていうのは元は大所帯だったんだよ。 特に爺さんの親あたり…お前からすると曾爺さんの時には結構大家族だったらしい。 でもお前俺の方の親戚ってあんまり見た事ないだろ? まあ簡単に言えば皆何らかの原因があって死んじまってる訳だ。 だけど、不思議なのはその死に方なんだよな。 死因はよくある病死やら事故やらなんだけどな、死体になって発見された時の状況がどうにも変わってるんだ。 それで爺さんの話に戻るんだが、火事が原因なんて中々テレビで見るくらいだろ。 しかも出火の原因は爺さんの寝煙草。俺は子供の頃から見てるから知ってるんだけど、爺さんは呆れるくらいに神経質…所謂、臆病者でな。 煙草の後始末もきっちりする性質だったんだ。 俺はそんな爺さんが寝煙草なんてするとは、到底思えないんだよな。 火事の第一発見者は、勿論一緒に住んでた嫁―お前からしたら婆さんだな。 当時、爺さんが寝ていたのは一階だったらしいんだが、二階に寝てた婆さんが煙の臭いに起きて下に降りて行ったらしい。 そうしたら、爺さんの部屋から火が出てるのを発見したって訳だ。 もしお前が火事気が付いたらどうする? 消防車呼ぶよな? だけど、婆さんはそうじゃなかった。 風呂場に行って湯桶に水を入れて、その水で火を消そうとしたんだってよ。 でもな、警察の現場検証から分かった事なんだが、爺さんは燃えた衣服を脱ごうとして大分暴れた跡があったらしい。 想像してみると、何だかそれって怖い光景じゃないか? 地獄絵図みたいな光景の前で、少しずつしか汲めない水で火を消そうとするんだ。 焼けてのた打ち回る夫を見ながら…な。
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