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桜も葉桜に変わり、今年は花見が出来なかったなぁと思いながら、私は相も変わらず喫茶店でアルバイトをしている。 記憶が戻ったと同時に、就活生であることも思い出してしまい、他の人よりも出遅れた感が否めない。 非常に悲しい。 どうして記憶なんて戻ったんだろう。 だけど、記憶が戻らなければ大切な人たちとの思い出まで失ったままだったのだから、本音はどっちつかず。 「平日はかなり楽になりましたね」 新作スイーツを発案中の店長は、ここ一週間ほどタバコを吸っていない。 「あ?…ああ。けどよ、もうすぐ地獄が来るから今だけだぞ」 ストレスが凄まじいらしく、振り向いたその一瞬、そういう職業の人かと見間違えそうになる。 子供受けは悪いが、女性人気が上がっている。 危険な男の人が格好良く見える時期なのだろう。 「…孝祐くんも働いてくれたら、女性客もっと増えるかも」 「…お前、ここを何にする気だ?」 毎日が平和です。 閉店後である今の時間帯は、私も新作スイーツの手伝いや、他のメニューの発案に参加したりしている。 こういう職業、もしかしたら私に合っているのかも。
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