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男は一本しか入っていない
煙草の箱を見つめ、
あの奇妙な体験を思い出していた。
土曜日の事である。
いつも通り仕事を終えて帰宅し、久々の休みに心を踊らせていた。
男は前から時間がなくて
溜まっていた本を読むことにした。
部屋の隅に積んである、
本の山に目を向ける。
男は本を買う時、
よく表紙で決めていた。
特に、表紙絵が秀逸だと思った物を買い漁った。
所謂『表紙買い』である。
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