第1題 the opening

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~~~~~~~~~~~~ ある日曜日の昼下がり。 男は仕事の取引先からの帰り道、ある街の通りを歩いていた。 空は晴天。 雲もなく綺麗な青色。 残念なのは、 高層ビルや建物に囲まれた狭い空であることだ。 男は歩きながら上を見ていた為に、通行人の女性とぶつかった。 その拍子に相手の荷物が落ちてしまったらしい。 急いで荷物を拾うのを手伝った。 拾ったものを渡す時に見た顔が、実に男の好みであった。 しめたとばかりに、お茶に誘った男。 ―そこに下心がないといえば嘘である。むしろ下心満載であった― しかし女性は急いでるのか一言お礼を言い立ち去った。 去っていく彼女の背中が小さくなっていくのをただ眺めた。 ため息を吐き顔を地面に向けた。 そこに落ちていたのは1箱の煙草。 「彼女の忘れ物だ」 何故か男は思った。 しかし、返そうにも彼女はもう行ってしまった。 彼女が戻ってくる事を少し期待して近くの喫茶店に入る男。 珈琲を頼み、無性に吸いたくなったその煙草に火をつけた。 甘い香りの煙が周りに広がる。 「珍しいなぁ……」 そう思っていると、 頼んだ珈琲が届いた。 持ってきた店員に礼を言い珈琲を飲んだ。 が、普段とは何か違う。 言い様の無い違和感があった。 男は気づいた。 「伝票をもらっていない。」 その旨を従業員に伝えた しかし、 「お客様。 今日は無料でございます。珈琲一杯無料ですので、お気になさらず。」 と言って戻っていった。
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