世界の崩壊

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両親は海外へ仕事に出かけている。 一度飛ぶと半年は帰ってこない。 帰ってきても俺とは目も合わせようとしない。 完全に無視している。 いつからか。 生活には困らない。 銀行には俺宛てに両親が金を振り込んでいる。 それに、三日に一度は近所に住むおばさんが「体にええもん食いんしゃい」と夕食を届けてくれるから。 それでも、どこか満足いかない。 だから学校には行ってない。 両親に対する、小さな反抗を示したかったから。 それを知ってか知らずか両親は俺に何の興味もないようだ。 もう諦めた。 せめてもの生き甲斐を求めるためにいくつかのバイトを掛け持ちしている。 その忙しい日々の息抜きとして二泊三日でこの森にやってきたのだが…。
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