ある日の教室で

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「つまり埼京線は最強では無いことは明白だと思うんだ」 部長はいつも通りにどうでも良いことを堅苦しくおっしゃる。 「特に防犯対策だ。前から痴漢行為発生件数関東一位の路線であった訳だが、今も防犯カメラを設置したといえども多い。まあこれは最強ではない証明とは関係が全く存在しないな」 存在しないのかよ!!と、後谷に突っ込みをかます。 「京浜東北線よりは埼京線の方が止まらない……気がする」 ……今逃げたよね、断定を避けたよね。 「……止まらまい」 遂によく分からない表現になったよ。打ち消し推量みたいな感じにしてるけど、それじゃ色々な面で可笑しいよ。 僕はなぜ必死に突っ込みを入れているのだろうか。必死に成りすぎて汗をかいてきた、いや、必死だからではなく気候的な問題だろう。 六月を十日程回っていた。 もうすでに‘しこう部’決起から一ヶ月を回ったが、明確な活動方針は決まっていない。生徒会からは顧問がいない・人数的な面・活動内容不明瞭ていう点から認可されず、部室の代わりに放課後の我がクラス……の隣の空き教室(通称は第二講義室)を不法占拠している。そして、現在の部員(を名乗る人物)は一人である。
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