ある日の教室で

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「東方君?」 扉を開けたのは大炊御門(オオイノミカド)だった。彼は後谷の後ろの席に机を構えており、休み時間はよく歴史――特に日本近代史――の本を読んでいる静かな男子である。 「やあやあ晴経(ハルツネ)君、良かったら君も参加しないかね?この崇高な儀式に」 怖いよ。これからしようとしていることは儀式でも何でも無くて、ただの雑談だよ。 僕は後谷の奇想天外な発言をすぐさま訂正した。 「だよね……ほんの一瞬だけれど、妙な宗教の勧誘かと思ったよ。後谷って変人なのか……まあいいや、何の話をするんだい?」 「宇宙の真理と」 いい加減やめようか。 僕は即座に後谷の発言を制止した。そしてしっかりと――詳細な内容は決まってはいないのだが――これからしこう部が行おうとしている活動内容を大炊御門に説明した。すると「へえ、いいじゃん。僕も参加しようかな」と、意外なことに大炊御門も参加することになった。
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