きっかけ

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お経をひたすら読み続けても変わらないRに叔母が さおりにもお経を読ませ、 叔父にもお経を読ませ 三人がかりで除霊をしたそうです。 一方で暗闇にいた私は 遠くの方で 白くて丸い玉みたいなものがあることに気付いて 無我夢中でそれに向かって走っていた。 だって何もない黒の世界に 白のものが見えるんですもん… 何があるか分からないし 白いものが何かも分からないけど それでも それすら助かった気持ちに させられたんです。 その白はだんだん大きくなり だんだんまぶしくなり その白い玉が光だと気付いた…… その光からうっすら何かの声が聞こえる。 助けて助けて助けてー すがる思いでその声に向かって叫びました。 だんだんとだんだんと 声は大きくなり お経だと気付いたとき 叔母と叔父、さおりの声だと気付いたとき 私は現実に戻れました。 体を触り 鼻水まみれの自分、 涙まみれの自分に ビックリしすぎて…… 人がいること 光があること すべてに嬉しすぎて また泣きました。 叔母からの説明を受けて 知りました。 私は………… 亡くなったおじいさんと 入れ替わっていたんだそう。 おじいさんは事故死。 自分が死んだことすら気付いていなくて あの世にもまだ行けず 暗闇をさまよっていたんだそうです。 後日、 おじいさんの話を聞きに 親戚の家に行ったところ… どうやらこのおじいさんには何のかは分からないけど 師匠がいたらしい。 師匠と呼んでるだけかもしれませんが おじいさんには慕っている人がいたことには間違いないらしい。 そぅ………… 大阪にね……。 暇さえ出来れば大阪に足を運んでいたと言うから ゾクッときました…
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