おばあちゃんの影

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おばあちゃんの影

依頼者:Tさん 『家の仏壇から白いもやもやが出てきて……毎晩階段を上ったり下りてく音が聞こえる。』 そう言って毎晩眠れないと訴えてきたTさん。 もちろんこういった話は よくありますし、 怪談でもよく出てくるのではないでしょうか。 実際に霊たちは物音を立てたりするのだろうか……… と言う疑問は誰しもが持つことでしょう… 答えは………… もちろん、あります! 霊の想いが強ければ強いほど音や影となって出てしまうことが多いように思います。 まずTさんの話からいきましょう…。 ・白いもやもや。 ・足音が聞こえてくる。 ほかには何かありますか?と訊ねたら 『そのせいか飼っていたインコと犬が一週間おきに死にました。インコが死んだ日から犬がおかしくなりそのまま… そして僕は…事故に遭いました。大した怪我はせずに済んだのですが、なにか関係があるような気がして…』 さっそく霊視を開始しました。 私がまず見えてきたのは Tさんのおばあさんでした。 おばあさんは落ち着きがなく 私が話しかけるまで私の存在に気付くこともありませんでした。 『おばあさん、忙しそうですね。』 と声をかけてみました。 すると ハッと私を見て 『………はっ、はれ?あんたわたしが分かるのか?』 と 驚いた様子で話してくれました。 『あなたのお孫さんがあまりにも心配をしていたのでやってきました。 おばあさんはこの家で何をしているの?』 『………そう。わたしはね、この家をほっとくわけにはいかんのや。 ほれ見てみなさいよ。あそこ。』 指差した方に目をやると 静かに座った猫がいました。 もちろん猫の霊です。 『ねこ?』 『そぅ。あの猫が教えてくれたんや。この土地にはえらい侍さんがいてな。戦いで負けてここで生き絶えた。その侍さんがな、 この家をどかそうとしとるんや』 『そうでしたか。その侍さんと会えますか?』 と言った瞬間… ビシーーーンッ と何かが弾けたような音がした。
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