始まり

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「うぐっ……あっ……うぐぐっ……うぐっ!うああああ!!」 「大丈夫か!?シン!」 「大丈夫!?シンちゃん!」 転んだ態勢のまま苦しみだした彼に駆け寄る両親。 そして両親が彼のもとへ辿り着いたその時 「うっ…うがぁぁぁぁぁ!!!」 彼の異能。 “力”が目を覚ました。 そして 「大丈夫か!シ……ン」 「な…ん…シ……ン…」 彼に近寄り、彼を心配していた両親を消し去った。 両親は自身が消えることを理解するまえにこの世から消滅した。 最後まで少年シンを思いながら。 「パ…パ?ママ? ねぇ、どこ~? パパーー!ママーーー!」 幼い彼にはまだ理解が出来ていなかった。 既に自分の両親はこの世を去ったことを。 あとに残ったのは直径五メートル程のクレーターと、彼の父親がかけていた眼鏡と母親のネックレスだけだった。 ――――そして彼は始めに大切な両親を失った。 しかし幼かった彼は両親の死を理解できず、ただ叫び続けるだけだった。 応えが帰ってくると信じて……
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