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この時から、既に彼には不可解な事が起こっていたのである。
それは彼を保護した警察官の報告書にも記されていた。
―――
○月×日 報告者山田イチロー
本日午後11時頃、定時巡回中、公園付近で子どもの泣き声らしきものを確認。
すぐ声が聞こえた方角にいくと、そこには一人の子どもがパパ、ママと泣き叫んでいた。
この時間に子どもが公園になどいるはずが無く、不審に思い、近づいてみると、子どもの周りに考えられないほど大きなクレーターを発見。
不可思議だとは思ったが、その事よりも子どもを優先。
近くにいき話を聞いてみるが、パパママと言ってぐずるだけ。
近くに両親の姿は無く、このままでは埒があかない為、一度交番で保護することに。
子どもを保護するために、近づいて話してみるも、会話をできる状態では無く、やむなく交番に連れていくことにする。
しかし、ここで不測の事態が起こる。
交番に連れていくため、子どもの手を取り、連れていこうとした瞬間。
三歳程の子どもとは思えぬ力で振り払われる。
その後ももう一度連れていこうとするも、信じられ無い程の力で振り払われる。
やむなく応援を呼び、連れていこうとするも、二人でも連れて行くことができず、三人の応援でようやく交番まで連れていき、保護する事に。
大人二人でも押さえる事ができぬほどのあの力。
とても三歳程の子どもとは思えなかった。
―――――
と報告書にも記されていた。
この日、両親を自らの力で失った日から彼の体には変化が起きていた。
その変化が何故起こったのか、知るものは誰もいなかった。
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