始まり

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あの悲劇から三年が過ぎた。 あの頃三歳だった少年も祖父母夫婦のもとで育ち、六歳になっていた。 しかし、彼には三年前のあの悲劇の記憶だけが無かった。 その事に最初に気付いたのは祖父母夫婦だった。 彼が両親を失い三日がたったある日。 祖父母夫婦と一緒に買い物にいき、その帰り道… 「ねぇ?おじいちゃんおばちゃん。パパとママはどこぉ?今度公園で遊んでくれるっていったのにぃ。」 そう発した彼の言葉を聞いた祖父母夫婦は驚愕した。 そう…それは行方知れずとなった娘と最後に電話で話した内容だったのだ。 その発言に疑問をもち、祖父母夫婦は他のことをさりげなく聞いてみると、驚愕の事実がわかったのである。 そう 彼には記憶が無かったのである。
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