第七章
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「なにもしてないよ。ちょっと昔のことを思い出していた。」 《なにを思い出していたの?》 「陸上競技をやり始めたときのことを思い出していたんだ。ただ走ることに喜びを感じていたんだ、あの頃はさ。」 なぜ走ることがあんなに楽しかったのだろう。 暑い日も寒い日も、ひたすらに走りつづけたあの頃が今では妙に懐かしい。
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